2019/4/9
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症例「逆流性食道炎」 |
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♪咲いた~咲いた~ チューリップの花が~♪ 70代女性。 半年前に胃カメラで逆流性食道炎、胃ヘルニアと診断され、内服薬開始。 咽喉に食べ物が逆流する感じと、咽喉が詰まった感じがする。 症状が改善せず、食欲も減退、徐々に便秘もひどくなる。 また、咽が気になり眠れなくなった。 症状が続くこと、このまま薬を飲み続けることに不安を感じて、来院される。 その他 ・50代、健診で慢性胃炎を指摘されるが、自覚症状はなかった。 ・数年前にストレスがかかった時に咳が出だし、一度出ると止まらない(夜間も)状態がしばらく続いた。 <鍼灸と経過> 数年前の激しい咳、今回の逆流性食道炎共に、気の上逆といって本来下に降りるべき気が、上に突き上げることで起きたと思われます。 この方の場合は上逆の原因は、ストレスによる肝の気の停滞から熱を生じたことと、腎の弱りであると考えました。 そのために腎の臓を補い、身体の上部の熱をとり、肝の気を巡らせることで、胃腸の働きをよくする鍼灸を行いました。 1診目・・・よく眠れるようになった。 2診目・・・逆流の症状が落ち着いてきて、食欲がでてきた。 6診目・・・逆流性食道炎の内服を止めるが症状はかなり落ち着いている。 肉や魚を食べた翌朝に軽い咽喉の違和感を感じる程度。 (もともと肉や魚はそれほど好きではないが、栄養を取るために食べている) 現在も治療継続中。 <考察と説明> 息を吸う、食べ物を口から入れて胃から腸へ送られるためには、肺や胃の気が下へ降りていくことと、下半身をつかさどる腎の臓の働きが必要です。 加齢やストレス、運動不足など様々な要因でこの下向きの気の動きが阻害されると、気が上逆し、逆流性食道炎、気逆咳、めまい、頭痛、のぼせなど様々な症状を引き起こします。 また、病気に対する不安から、本来伸びやかであるべき肝の気が停滞したため、便秘や不眠、食欲不振に繋がったと考えます。 病気による症状だけでなく、病気への不安やストレスから起こる症状も患者さんを苦しめます。 また、これらはお互いに影響しあっているために、悪循環に陥ってしまうことも少なくありません。 身体はすべて繋がっている、精神と身体は切り離せない関係と考える東洋医学だからこそできることがあると、改めて気づかされました。 ※同じ症状でも、年齢、体質、生活状況、発症からの経過時間などによって、鍼灸の効果は異なります。 ※その他の症例(月経困難症、食欲不振、関節痛、過敏性腸症候群、蕁麻疹、更年期障害、頭痛など)をご覧になれます。 このページの上部、ブログタイトル上の赤字「症例」をクリックしてください。 |
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