2019/3/22

冬があるから春が美しい

桜の蕾が日に日に膨らみ、来週には開花の予報が。
 
桜だけではありません。この時期は、甘い香りの沈丁花、雪柳や木蓮などなど、春を知らせる花が一斉に咲き出し、茶色やグレーが多かった世界が色彩豊かになりはじめます。
 
先日、ベトナム出身の患者さんとこんな会話を交わしました。
 
彼女が生まれ育ったのは、ベトナム中部、一年は乾季と雨季にわかれます。
雨季はちょうど学校の長期休みと重なりますが、来る日も来る日も雨が降るので、あまり外出をしないそうです。
 
「じゃあ、雨季が終わって雨が止んだら、ちょっと嬉しくなるね」
と私が言うと、
 
「でも、景色は変わりません。
日本は四季があります。
冬に枯れてしまったような木が、春になるとどんどん緑になって、花がたくさん咲いて、その変化がとても美しく、それがとても楽しみです。」
と、彼女。
 
そうか、冬があるからこそ春が美しいんだ。。。
葉が全部散って寂しそうになるからこそ、新緑がこんなにも美しいんだ。
グレーの世界のあとだからこそ、色とりどりの花がこんなにも美しいんだ。
 
もし冬がなくて一年中春だったら、それはそれで美しいけど、もしかすると見慣れてしまって、何も感じなくなるかもしれません。
 
春も夏も秋も冬も、四季の美しさを毎年のように感じられるって、とても幸せなことですね。
 
そのことに気づくと、散歩中に見つけた花たちが一段と輝いて見えました。
 
↑道端に咲くタンポポ。子供の頃、綿帽子を飛ばしたな~。
↑梅に似てますが、ぼけです。もっと可愛い名前をつけてあげたい・・・。
↑堂々たる白木蓮。私のこぶしほどの大きな花です。
↑レンギョウ。ぱっと目をひく鮮やかな黄色。