2019/3/17

行方不明の時間

↑山茱萸(さんしゅゆ)の花。乾燥した果肉は漢方薬としても使われています。
 
 
 
詩人茨木のり子さんの「行方不明の時間」という作品があります。
 
 

人間には

行方不明の時間が必要です

なぜかはわからないけれど

そんなふうに囁くものがあるのです

三十分であれ 一時間であれ

ポワンとひとり

なにものからも離れて

うたたねにしろ

瞑想にしろ

不埒なことをいたすにしろ

遠野物語の寒戸の婆のような

ながい時間は困るけれど

ふっと自分の存在を掻き消す時間は必要です

 

「茨木のり子集 言の葉3」(ちくま文庫)から、詩の前半部分を抜粋しました。

 

いつでもどこでも連絡が取り合える時代。

すぐにネットで何でも調べられる時代。

でも、その便利さが時にはイライラや不安やせわしなさに繋がるのだとしたら・・・。

時には勇気を持って行方不明になることが必要だし、行方不明になった友人や家族をそっとしておくことも必要ではないでしょうか。。。

春は変化の季節。

進学、卒業、就職、異動、年度末の総仕上げなどなど、どうしてもバタバタと忙しくなります。

頭がパンクしそうになったり、呼吸が浅くなったり、うっかりミスしたり、うっかりケガをしてしまったり。

そんなことがあったら、早めに行方不明になって、一息ついてくださいね。

 鍼灸院は行方不明になりませんので、ご安心を(^.^)