2019/2/28
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症例「偏頭痛」 |
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↑♪灯りをつけましょぼんぼりに♪ もうすぐ雛祭りです。 50代女性。 20代の頃から肩こり、頭痛があり、市販の鎮痛薬を内服していた。 最近徐々に、頭痛の頻度が増加。以前は整体を定期的に受けると頭痛が起こらなかったが、現在は整体受けていても頭痛が起こる。また、鎮痛剤も効果なし。 酷い時は、吐き気、嘔吐を伴い、1日寝込んでいる。 脳神経外科受診、検査では特に異常見られず。 既往歴:胃潰瘍、乳癌(手術と抗癌剤で治癒) その他の症状:のぼせやすい、発汗が身体の上部に多い、むくみ、夕方疲れやすい <鍼灸と経過> もともと肩こり、頭痛など肝気が上逆しやすい体質に加えて、闘病などの過労による腎の臓、脾の臓の弱りがあり、さらに肝気が上逆しやすくなったと考え、脾の臓、腎の臓を補いながら、肝気を巡らせる鍼を行う。 6診目から頭痛の頻度が減少、また気力体力がついて、元気になってきた。 12診目。頭痛はほとんどおこらず。 寒い日に肩が縮こまった姿勢で長時間過ごしたり、疲れた時に軽い頭痛が起きる。 寝込んだり、嘔気や嘔吐がみられることはない。 <説明と考察> 肝の臓の働きのひとつが、気を全身に巡らせることです。 この働きがうまくいかないと、気が停滞しやすくなり、この方の場合は、肝気上逆といって、気が上へ上へと突き上げてしまい、嘔気や嘔吐を伴う激しい頭痛が起こっていました。 のぼせやすい、身体の上部ばかり発汗が多いなども、この上逆によるものです。 頻度が増え、程度が酷くなってきたのは、腎の臓や脾の臓の弱りがでてきたためです。 東洋医学では、五臓六腑は単独で存在するのではなく、お互い助け合ったり制約しあったりして、バランスを保っていると考えます。この患者さんの場合は、腎の臓や脾の臓が弱くなり、肝気を制約できずにより気が昂ぶりやすくなっていました。 正気の弱りがある場合は、その弱りを補いながら気を巡らせる必要があります。 頭痛がおさまると同時に、気力体力がついてきたと感じるのは、正気が充実してきたからです。 このように寝込むほどに酷い偏頭痛があると、日常生活に支障をきたすと同時に、今度はいつ起きるのかと、常に不安にさいなまれます。 予定を組むのも、「頭痛が起きたらどうしよう・・・」と考えながらです。 また、正気の弱りがあると、身体が思うように動かなかったり、やる気が起きなかったりしがちです。 頭痛を気にせずに、お元気に毎日を送ることができるようになり、本当に良かったです。 ※その他の症例(月経困難症、食欲不振、関節痛、過敏性腸症候群、蕁麻疹、更年期障害など)をご覧になれます。 このページの上部、ブログタイトル上の赤字「症例」をクリックしてください。 |
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