2019/2/2

症例「過敏性腸症候群、蕁麻疹」

↑梅の蕾が日に日にふくらんでいきます。春は、もうすぐそこです。
 
 
 
40代女性。
・過敏性腸症候群
5年ほど前から、切迫性(便意を催して、すぐに出る)の下痢が一日に数回あり。
いつ起きるかわからないため、仕事中や外出時は、精神的プレッシャーがかなり強い。
過敏性腸症候群と診断され、止痢剤を内服中。
 
・蕁麻疹
10年ほど前から、腕にみみずばれのような赤みのある膨隆ができ、全身に広がる。痒みが酷い。当初は3日に1度ほど、抗ヒスタミン薬内服していたが、症状の悪化に伴い、毎日内服するようになった。
内服をやめると必ず蕁麻疹が出現するため、薬が手放せない。
 
その他の症状・・・30代、ぎっくり腰を何度か。40代、腰部椎間板ヘルニア、冬になると喘息。
 
<鍼灸の経過>
もともと、肝の臓の昂ぶりから熱をこもらせて蕁麻疹が発症。
また、脾の臓、腎の臓の弱りから下痢を発症。
この弱りが肝の臓をさらに昂らせることにより蕁麻疹が悪化したと考え、脾の臓、腎の臓を補いながら少しづつ肝の昂ぶりを抑える鍼灸を行う。(1回/週)
5診目 徐々に下痢の回数が減少する。
9診目 抗ヒスタミン薬の内服を止めても蕁麻疹が出なくなり、頓服にきりかえる(出現時のみ軽い薬と軟膏塗布ですぐにおさまる)。下痢から軟便になる。
腰痛も起こらなくなった。
15診目 下痢が落ち着いてきたため、止痢剤内服をやめる。蕁麻疹は疲れや食生活が乱れたときに出る程度。
20診目 便のことを気にせずに生活できるように。
 
現在も体調管理のために、通院中。この冬は喘息起こらず。
 
<考察と説明>
東洋医学では、スムーズな排便のためには、脾の臓、胃の腑(このふたつで、西洋医学で言う胃腸の働きをする)腎の臓、肝の臓、肺の臓、大腸、小腸などの連携が必要と考えています。
そのため、ひとことに過敏性腸症候群といっても、どの臓腑に主に問題があるのかはその方によって異なります。
また、排泄だけでなく、あらゆる生理機能が臓腑の連携によってなされているため、ひとつの臓腑の異常は、他の臓腑へも影響を与えます。
この方の場合は、腎の臓の弱りが脾の臓にも及び、また脾の臓が弱ることで、肝の臓との力関係のバランスが崩れていました。
一見関係のない症状が、実はすべて繋がっているのです。
この方のように、ひとつの病の治療をすることで、他の不調も良くなっていくということは、東洋医学の考えからすると、決して不思議なことではありません。
 
「鍼灸を受ける以前は、様々な診療科を受診し、たくさんの薬を飲んでいたのに、今は病院通いも内服もなくなりました。不調が当たり前になっていたので、体調が普通にいいですと言えることがとても嬉しいです。」と笑顔で話される患者さん。
 
ひとりでも多くの方に、この東洋医学の素晴らしさを体感していただきたいと思います。
 
 
  
※その他の症例をご覧になりたい方は、このページの上部、ブログタイトルの上、赤字の「症例」をクリックしてください。
蕁麻疹、更年期障害、食欲不振、関節痛、月経困難症、頭痛などの症例をご覧になれます。