2018/10/30

お灸の季節到来

朝晩の冷え込みが厳しくなると、お灸の出番が多くなります。
 
お灸に使用される艾(もぐさ)は、ヨモギの葉の裏にある白い毛を集めたもので、
ヨモギを乾燥させ、何度もふるいにかけ、不純物を取り除いて作ります。
火をつけても高温にならずに、ゆっくり燃え続けるのが特徴です。
 
お灸は、陽気を補い身体を温める、湿を乾かす、
気の巡りをよくする、解毒(虫刺されなど)の効能があり、
また、お灸の煙のにおいは、気持ちを落ち着かせる効果もあります。
温める効能があるために、秋、冬になると出番が増えるというわけです。
もちろん、体質や症状によっては、春や夏も使用します。
 
鍼灸院で使用するお灸は、主に点灸と棒灸の2種類です。
点灸は、半米粒大ぐらいの大きさのお灸をツボに一壮(そう)づつすえていきます。
どのツボを使うか、何壮すえるかは、患者さんの状態によって異なります。
また、お灸の硬さも患者さんによって調節しています。
艾を棒状にした棒灸は、ツボに近づけて間接的に温めるもので、お灸が怖いというお子さんにも使えます。
 
↑左側は艾(もぐさ)、ふわふわです。
真ん中のごま粒のようなものが、もぐさを半米粒大にしたお灸。
鉛筆と比べるとその小ささがわかります。
 
↑棒灸。ツボを間接的に温めます。
 
私は、週に一度鍼灸治療を受けるのですが、お灸を使ったことは、なんと一度しかありません。
風邪をこじらせお腹をこわした時に、腹部に点灸をしてもらいました。
ほんわりと腹部が温かくなり、症状もよくなりました。
この時は冷えによる症状だったので、お灸がよく効きましたが、
基本的には、私は熱をこもらせやすい体質なので、普段はお灸をすると、
のぼせたり、めまいがしたり体調が悪くなります。
このようにお灸は、患者さんの体質、その時の身体の状況を見極めて使う必要があります。
 
「必要な場所に、適切な量」
これを守れば、お灸は寒い時期の大きな味方です。