2024/11/20
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症例)手の冷えと痛み(レイノー現象) |
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↑精巧なダリアの花。 40代女性。 7年前に初期のリウマチと診断される。この時には軽い手首の痛みがあった。 この後から、冬になると、両手の指にレイノー現象が起こるようになる。 (レイノー現象とは、指や足の血行障害により指先の色が白や青、紫に変化する症状) 初診は5月であったが、この冬は特に症状がひどく、血流障害から皮膚に潰瘍ができ、一部の爪がはがれてしまい、水が当るだけでも痛みが生じる。指の色は暗い紫になっている。 また例年暖かくなると、レイノー現象は改善するが、この年は5月になっても症状改善せず。 6年前からは、皮膚筋炎と診断され、膠原病内科に通院している。 <鍼灸> 肝の臓の気の停滞が強いところに、寒邪が経絡に入り込みレイノー現象を発症、暖かくなってもこの状態が続いているため、肝の臓の気を巡らせるとともに、経絡に停滞した冷えを除く鍼灸を行う。 初診時は、お灸を用いる。 2診目より、手が温かくなったのを感じ、紫色の範囲が狭くなる。 同治療を継続し、手が温かくなり血流が改善されたことから、1か月ほどで、日常生活に支障がない程度に皮膚の潰瘍が改善する。 体調管理のために、治療を継続しており、通院中の冬はレイノー現象が出なかった。 また、側弯のために、肺が圧迫されて疲れやすかったが、鍼灸を継続することで、側弯が改善、坂道で呼吸困難が出ることもなくなる(実際に肺機能検査も良くなっていた)。 <説明と考察> リウマチは東洋医学では五臓六腑の問題があるところに、外邪の影響により、寒・風・湿・熱邪が経絡に入り込んで、関節部分を刺激することで痛みが出るとされています。 この方の場合は、特に寒邪の影響を強く受けていました。 外邪とは、主に気温や湿度の変化などが邪気となるものです。 急に冷えたときや、梅雨時期に関節が痛む、などがその例です。 そのために、五臓六腑の状態を良くしながら、寒邪を除く鍼灸を行いました。 手の冷えと痛みが改善されるとともに、鍼灸を継続することで、側弯による症状も改善され、元気に過ごしておられること、とても嬉しく思います。 ※同じ症状であっても、東洋医学的にはおひとりおひとり発症のメカニズムは異なります。 そのため、同疾患、同症状であっても、症状緩和に必要な鍼の回数は、その方によって異なります。 |
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