2022/1/8
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症例「めまい」 |
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↑黄色いセンリョウ。 珍しいですね。 50代女性。 就寝中、目が覚めて起き上がったところ、突然、家全体が回るような感覚の酷い回転性のめまいを発症。嘔吐も伴う。 すぐ横になるが、起き上がるとめまいを繰り返す。 脳神経外科では異常なし。 めまいを止める薬を内服する。 三週間ほど仕事も休み安静に過ごすが、常に船酔い状態、支えなしで歩けず。 時に頭痛(頭の中に熱が籠った感覚、しめつけられる痛さ)を前兆として酷い回転性めまいが起こる。 何とか良くなりたいと、妹さん付き添いのもと来院される。 <鍼灸> 初診時は、体位を変える(横になる、起き上がるなど)で、めまいが酷くなるため、座位のままで鍼灸を行う。 主訴発症前、多忙であったことから、肝の臓の気が昂る状態(肝気上逆)に加え、過食が重なり、湿熱邪が頭部に衝き上がることにより発症したと考え、湿熱邪をさばきながら、肝の臓の気を下ろす鍼灸を行う。 また、年齢から腎の臓の弱りもあり、下が弱ることで、より肝の気が昂りやすい状態であったと思われるため、腎の臓を補う鍼灸も行う。 1診目の鍼灸の後、少し調子がよくなるが、イヤホンを2時間使用した後に再度酷いめまい発症。 2診目以降、酷い回転性めまいは起こらず、頭がすっきりする。身体が傾く感じ、フワフワ感が残る。 4診目、仕事再開。 7診目、フワフワ感や身体が傾く感じもなく、スムーズに身体を動かせるようになる。 <説明と考察> めまいは、鍼灸院ではよく見られる症状のひとつです。 めまいと言っても、ふわふわしためまい、立ちくらみ、この方のような酷い回転性のめまいなど様々です。 酷い場合は日常生活に大きな支障をきたし、また、いつめまいが起こるのかという恐怖にもさいなまれます。 当院では、発症以前の生活状況や飲食・睡眠・排泄などについて詳しく問診を行い、めまいを引き起こした根本原因に対して治療を行います。 鍼灸を通して症状が改善され、日常生活を取り戻すことができ、本当によかったです。 ※ひとことに、めまいと言っても、東洋医学的にはおひとりおひとり発症のメカニズムは異なります。 そのため、同疾患、同症状であっても、症状の緩和に必要な鍼の回数は、その方によって異なります。 |
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