2020/10/26

心待ちにしていた絵との出逢い

↑京都市内を流れる高瀬川。
 
 
先日、京都国立博物館で開催されている「皇室の名宝展」を見に行ってきました。
平安絵巻、屏風絵、書など様々な展示物がある中、私のお目当ては伊藤若冲(じゃくちゅう)の数点の絵です。
 
伊藤若冲は江戸時代の画家ですが、数年前に彼が主人公となった小説:澤田瞳子著『若冲』(文藝春秋、2015年/文春文庫、2017年)を読んでから、彼の絵を見たいと思い続けていました。
 
商家の跡取りとして生まれましたが、家業は弟にまかせっきり、寝食忘れひたすら絵を描くことに没頭、すべての情熱をそこへ注ぎ込み、描く姿は鬼気迫るものがあったという。。。
小説ですから、フィクションの部分も多いと思いますが。
 
実際に絵の前に立つと、「凄いな。。。」としばらく呆然としてました。
 
あまりにも生き生きしていて、今にも動きだしそうな鳥。
あまりにも生き生きしていて、額縁から飛び出してしまいそうな薔薇の花。
触ることができそうな錯覚におちいる雪。
 
生命力満載のこの絵を描いた若冲もまた、描くことにもの凄い情熱を傾けたのだろうな。。。
そんなことが伝わってくるような気がしました。
 
見たい見たいと思い続けた絵と出逢って、感動しきりの私。
 
ふと気づくと、思い思いの絵や書を穴があくほど見つめる人がいたり、うんちく語り合っているご夫婦がいたり、無理やり連れてこられたのかしら(笑)というような人がいたり。
思い思いに、自由に、鑑賞していました。
 
約250年ほど前に描かれた絵に、このように出逢えたことは、決して当たり前のことではなく、絵を守り続けた人、彼のことを小説にしてくれた人、展覧会開催に尽力してくれた人がいてくれたからこそ。
たくさんの人や事に感謝、です。
 
「皇室の名宝展」については、こちらをクリックしてください。
展覧会は、現在、感染予防のため予約制となっています。