2020/6/30
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症例「上下肢の運動障害」 |
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↑たくさんの白百合。清楚です。 50代女性。 初診一年前より、左上・下肢に力が入らず、動作に支障をきたす。 上下肢は重だるく、振戦(ふるえ)がある。ムズムズしたような違和感もあり、じっとしていても気持ち悪い感覚が常にある。 徐々に筋肉が萎縮。 来院時は左足を引きずりながら、短い距離しか歩けない状態。 一年間、整形外科など、色々な病院へ行き検査を受けるが、原因不明と言われる。 不安と恐怖感が日に日に強くなり、安定剤、眠剤内服。 また、2ヵ月前から身体の疲れ(めまい、だるさ)を感じるようになり、外出や家事もままならない状態となる。 ・その他 主訴発症前は身体を動かすのが好きで日常的に激しいスポーツをしていた。骨折や捻挫などを繰り返す。 介護などでストレスがあった。 <鍼灸と経過> 加齢と、骨折や捻挫を繰り返したことによる腎の臓の損傷、激しいスポーツやストレスによる肝の臓の損傷により、筋骨を気血が養えなくなり、このように日常生活に支障をきたすような症状を引き起こしたと考えます。 発症後一年経過しており、その間にも気血の消耗が進み、不安や恐怖感がさらにそれを助長したと思われます。 そのために、日常生活に大きな支障をきたすほどの酷い身体の疲れを生じたと考えます。 肝の臓、腎の臓を中心に気血を補っていく鍼灸を行い、 また、不安や恐怖が強いため、精神を安定させるツボも使用しました。 症状が酷いため、週に2回の鍼灸を行いました。 症状が少しづつ改善し、2か月後にはバスに乗り一人で来院できるように。 また、2歳の孫の面倒を見るなど、家事ができるようになる。 4か月後には、娘と一緒に関東の実家へ新幹線で帰省。 天候や疲れなどの影響で手足のだるさや違和感が出現することはあるものの、 コロナの影響で保育園が休みになった時には、一か月近く孫の面倒を見るほどに回復。 現在も通院継続中。 <まとめ> 初診時は、正気の弱りが酷いため、刺さない鍼を用いなければならないほどでした。 弱りが酷い場合は、少しのストレスや気候変化などでも大きな影響を受けてしまいます。 一旦症状が良くなっても、また悪化するということを繰り返しながら、、薄紙を剥ぐように少しづつ良くなっていきました。 元気になるにしたがって、本来の笑顔と明るさを取り戻されたこと、本当に嬉しく思います。 鍼灸を信じ、根気よく通い続けてくださったことに感謝します。 |
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