2019/8/4
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症例「ぎっくり腰」 |
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↑川の側は涼しい風が吹き抜けます。暑さの中、ほっと一息。 80代女性。 身体の疲労感、倦怠感が強いため、ぎっくり腰発症1年ほど前から鍼灸治療を受けていた。 腎の臓の弱りが顕著であったため、腎の臓を補う鍼灸を行っていた。 10月、朝晩は寒くなってきた頃、朝起床時に突然ぎっくり腰発症。 痛みが強いため、起き上がれず。 数日寝たきりで過ごすが(食事も寝たまま)、改善せず。 発症1週間前に孫3人の運動会があり、お弁当作りのためにかなり頑張った。 運動会当日は、観戦のために、無理な体勢で長時間座っていた。また、少し下半身が冷えた感じがあった。 <鍼灸と経過> 運動会時の腰への負荷(長時間の座位)と冷えにより、腰部の気血の巡りが悪くなる。 通常であれば、動いたり入浴で温めることで気血の巡りは改善するところ、運動会準備で無理をしたことにより、腎の臓へ負担をかけていたため、それが改善せずに1週間後にぎっくり腰を発症したと考えます。 また、痛みと動けないストレスで肝の気が停滞→より腰への気血の巡りが悪くなるという悪循環をおこしていました。 腎の臓を補い、腎・膀胱(腎と密接な関係)の経絡の冷えを取る、肝の気を巡らせる鍼灸を3日間毎日行う。 1診目・・・腰痛が楽になり、ゆっくりと立って少し家事をこなすことができ、座って食事がとれる。足が温もる。動くとかなり疲れる。 2診目・・・腰のつっぱった感じはあるが、ゆっくりと家事ができる。 3診目・・・腰痛なし。動いても疲れはない。 <考察と説明> 突然起こるぎっくり腰。 重いものを持ったなど腰に無理な負荷がかかった直後に発症する場合もありますが、突然誘因なく発症することもあります。 この方の場合も、患者さんにとってはある日突然、誘因なく発症しました。 けれど問診を詳しくすると、必ず経過の中に理由が潜んでいます。 また、個々の体質も大いに関係します。 患者さんは1年以上鍼灸治療を受けられており、自身の持っている自然治癒力が高かったこと、生活習慣や体質、孫のためになら身体を顧みずに頑張る方であることなどをこちらもわかっていたことが、より早い回復に繋がったと考えます。 ※同じ症状でも、年齢、体質、生活状況、発症からの経過時間などによって、鍼灸の効果は異なります。 |
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