2019/7/4

表を以て裏を知る②

↑何の花でしょう?
答えはブルーベリー。
実家に咲いていました。
これは5月の写真なので、もうそろそろ収穫できるころでしょうか。
 
 
 
前回のブログでは、「望診」について触れました。
 
今回は「聞診」です。
 
聞診とは、文字どおり、音声を聞くことです。それに加えてにおいを嗅ぐことも含まれます。
治療者の聴覚と嗅覚を使った診察ということです。
 
音声で一番大きなウェイトを占めるのが、患者さんの声です。
声のトーン、大きさ、話す勢い、スピードなどから実に様々なことがわかります。
声がしっかり出るということは、ある程度正気が充実しているということです。
 
ですから、特に重症の患者さんの場合、どの程度声が出せるかということは、とても重要なことになります。
 
もちろん、声が小さいからと言って、正気が弱っているかというと、それだけではなく、不安や恐怖が根底にあったり、自信がなかったり、緊張していたり、様々な理由が考えられます。
 
早口だって、肝が昂ぶって興奮しているのか、せっかちなのか、頭の回転がとっても速いのか・・・など色んなことが考えられます。
前回のブログで触れた「望診」と合わせて、視覚・聴覚・嗅覚などから得られる情報から、身体だけでなく、心も含めて患者さんの状況を把握することは、医療者にとってとても大切なこと。
 
少し話がそれますが・・・
今やネットやSNSを駆使すれば、人と会わずに、また話さずに済ませられることが何と多いことか。
 
けれど、直接会って感じること、そして相手の様子に応じた言葉かけ、そのやり取りがどれだけ大切か。
それがどんどんなくなっていくことに、何か大切なものを忘れてしまうような気がしてなりません。
 
日々、五感を駆使して診療に当たっていると、ふとそんなことを感じます。