2019/6/30

表を以て裏を知る

↑ようやく関西も梅雨入り。
やっぱり、紫陽花には雨が似合います。
 
 
東洋医学は2000年以上も前から、人々の病を予防し、また治してきました。
その診察方法は、2000年以上前に書かれた東洋医学最古の医学書と言われる「黄帝内経」(こうていだいけい)にも記載されています。
 
診察方法をまとめて「四診」といい、
望診、聞診、問診、切診からなります。
 
問診は体調や生活などについて話を聞くことですが、それ以外はすべて、医療者の五感を使う診察です。
身体の中の異常は、外に現れる。
だから、表を観察することが、身体の中を知るためにとても大切なんですよ、というのが東洋医学の診察の大切な教えです。そのために、医療者は五感をフル活動させるのです。
「表を以て裏を知る」とは、こういうことです。
 
今回のブログではこれらの診察方法の中の、「望診」に触れたいと思います。
 
望診では、医療者は視覚で体つき、顔色、髪やツメ、眼、舌、肌の状態などを観察します。
患者さんが鍼灸院に入ってきたときから、望診は始まっています。
 
緊張しているな、リラックスしてるな、元気がないな、力強く歩いてるな、足を引きずっているな、などなど。。。
 
服装も大切です。決して、お洒落具合を見ているわけではなく(笑)
いつもシックな色合いを好む方が、明るい色を着てきたときなどは、もしかして心境の変化があったのかもしれません。
暑い日に厚着をしていたり、逆に寒い日に薄着をしている時には、身体の異常で温度の感じ方がおかしくなっているのかもしれません。
 
このように全体を見てから、細かい部分(ツメ、髪、舌など)を診察します。
 
こんなに観察、観察言われると、緊張します。。。。
なんてこと、言わないでくださいね。決してあら捜しをしている訳ではありません。
あくまで、皆さんの心身の状態をきちんと見極めるためのこと。
 
ありのままの姿で、いらしてくださいね。
 
次回は「切診」(せっしん)「聞診」(ぶんしん)について触れたいと思います。