2019/5/9
|
|
症例「顔面のけいれん」 |
|
↑五月晴れの阪急宝塚駅。空の青さが夏を思わせます。 5月5日は、二十四節気の立夏です。 80代女性。 数年前から時々顔全体がピクピクとけいれんすることがあった。 2年前から、左上下眼瞼から頬、口周囲に至るまでけいれんが頻回に起こるようになった。 抗けいれん薬内服、ボトックス注射などを行うが変化がなし。 最近、さらにけいれんの頻度が増えてきたため、来院された。 その他・・・高血圧で内服中。20年前、胃癌手術。口渇、唾液が少ない。皮膚の乾燥。難聴で補聴器使用。 <鍼灸と経過> 肝の臓、腎の臓の弱りから、陰分の不足(血液、体液などの水分)あるために、内風(後に説明あり)を起こし、顔面のけいれんが起きたと考え、肝陰、腎陰を補いながら、気の巡りをよくする鍼灸を行う。 5診目から少しづつぴくつきの頻度が軽減する。外見的にも、左顔面のこわばりが緩んできている。鍼灸施術後に口腔内が潤う。 14診目(現在)・・・気温の変化が激しい、多忙時、風邪をひいた時などに一時的に出現する他は、ほとんど気にならない。 現在も体調管理のために通院中。 <説明と考察> 東洋医学では、肝の臓は筋を主っており、この筋脈がうまく滋養されないと、けいれんや震え、ひきつりなどが起きると考えらえています。 これらの動揺現象を内風(ないふう)といいます。 患者さんの場合は、肝の臓、腎の臓を中心とした身体の陰分の不足があるために、筋脈の滋養がうまくできておらず、顔面けいれんを引き起こしたと考えます。 口渇、唾液が少ない、皮膚の乾燥なども、陰分の不足によるものと思われます。 口から摂取した水分は、内臓がきちんと働いてこそ陰分となります。 ただ、やみくもに水分をとってもきちんと身体に取り入れなければ、逆に負担になる場合もあります。 患者さんは、趣味で朗読や合唱をされたり、友人と出かけたり、とても社交的で活動的な方です。 顔は人からもよく見られる部分であるため、とても気になっておられたとのこと。 現在は、けいれんを気にせずに元気にあちこち飛び回っておられます。 ※同じ症状でも、年齢、体質、生活状況、発症からの経過時間などによって、鍼灸の効果は異なります。 ※その他の症例(月経困難症、食欲不振、関節痛、過敏性腸症候群、蕁麻疹、更年期障害、頭痛、逆流性食道炎など)をご覧になれます。 このページの上部、ブログタイトル上の赤字「症例」をクリックしてください。 |
|