2019/2/18

治る力を引き出す

↑可愛らしい雪のように真っ白なお花。その名も「スノウドロップ」。
 
 
鍼灸院には、初診時の症状が改善した後も、体調管理のために通っておられる方もいらっしゃいます。
 
先日、80代の患者さんが、
「先生、昨日風邪をひきかけて病院で薬をもらったけど、結局飲まないで、ゆっくり身体を休めたら、今日はもう元気になりました。」
とおっしゃいます。診察すると、寒邪を受けたときにみられる脈とツボの反応がわずかに見られます。
症状はもうないようですが、まだ油断できないので、風邪の治療をして、脈もツボの状態も良くなりました。
 
鍼灸は、自然治癒力を生かす、つまり自分の免疫力を最大限に引き出すものですから、この方のように普段から鍼灸を定期的に受けている方は体調を崩しにくく、もし崩しても軽度ですんだり、治りがとても早かったりするのです。
 
この患者さんの場合は、いつもならすぐに薬を飲んでいたそうですが、今回は、「なんとなく飲まなくても治りそうな気がするし、明日鍼の先生に診てもらおうと思って飲みませんでした。」
とのこと。
 
ご自分の治る力と、鍼灸を信じてくださっている、とてもありがたいことです。
 
もちろん、薬を飲まないことをすすめているわけではありません。
 
ただ、体調を崩した原因に目を向けずに、薬で症状を抑えてしまうだけで終わってしまうと、身体のバランスの乱れはそのままです。
 
季節や気候の変化、過労、ストレス、飲食の不摂生など、身体のバランスを崩す原因は様々。
そして、体質も様々。
 
大きな乱れを起こす前に、小さな段階で対応できる。
小さな乱れを身体に出ているサイン(ツボ、脈、舌など)から察知する。
・・・東洋医学、鍼灸の真骨頂です。