2022/5/16

大切な時間

↑色鮮やかな菖蒲の花たち。
 
 
昨年の秋、何度か往診に伺った96歳の男性。
先日、娘さんが来院され、1月に亡くなったとお伺いしました。
 
伺った当初は、食べ物が胸に痞えて、食事量が落ちていました。
その後、検査で食道がんが見つかり、けれどご本人とご家族の意思で入院せず、訪問看護も取り入れて、自宅で過ごすことに。
 
本当に弱って寝たきりになったのは亡くなる1週間前。
前日まで、しっかり話をされていたそう。
食事はなかなかとれなかったけど、亡くなる前日には大好きなお酒を少し召し上がったとか。
 
いくつで亡くなろうとも、身近な方が感じる寂しさや悲しさは、すぐに整理されるものではありません。
 
けれど、亡くなるまでの数ヶ月、少しでも食べられるように、少しでも楽しみを、少しでも楽に・・・と創意工夫で看病を続けられた奥様、娘さんの毎日は、私には何よりも輝く日々のように思えるのです。
 
誰かを看取ること、とは、それもまた大切な時間、大切な思い出になります。
そう、いつの日かきっと。。。
 
ご冥福をお祈りします。
きっと今頃、大好きなお酒を飲みながら、大きな声で笑っておられますね。。。