2021/8/17

美しい女性

↑白い芙蓉。清楚です。
 
 
奈良の師匠の鍼灸院には、もう何十年も通い続けている患者さんもたくさんおられます。
 
その中に、80代のなんとも美しいご婦人がおられます。
 
息子さんの車で来られて、駐車場から杖をつきながら、一歩一歩ゆっくりと。
変形性膝関節症で、一時は歩けないほどの痛みが続いたこともあったそう。
 
鍼灸院のスタッフひとりひとりに
「おはようございます。お世話になります。」と丁寧に声をかけて、ベッドへ向かいます。
 
「ありがとうございます。」
「本当にありがたいことです。」
 
口数は多くはありませんが、少し微笑みながら、この言葉を何度も口にされます。
澄んだ目で見つめられると、こちらも自然に笑顔になります。
 
化粧っ気のない顔に刻まれた皺も、すべて味方につけているというような、年を重ねた美しさ。
 
色々ご苦労もあったのでしょう。
仕事、家事、子育て、介護を担ってきた手は節くれだって、変形もしています。
皺もシミもあります。
それでもなお、きれいなのです。
 
見た目の形だけではない美しさがあります。
いや、その形ではない美しさのほうが、圧倒的に美しく感じます。
 
その方の生きざま、そのままなのでしょうか。