2021/3/2
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症例「腰椎椎間板ヘルニアによる腰痛と下肢のしびれ」 |
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![]() 60代女性。 昨年3月末、朝起床時、腰部に電気が走るような痛みを感じるが、数日でおさまる。 5月、再度酷い腰痛で動けなくなり、病院で診断を受ける。 手術を勧められるが、できれば手術はしたくないとのことで、6月、当院に来院される。 初診時は、左腰痛と臀部から下腿のしびれのため、座位がとれず。 仕事(事務、在宅にて)は、立って行う。 横になるのが楽なため、食事やテレビ鑑賞は、寝転んだ状態で行う。 左下肢全体が筋肉痛様で常にだるさがあり、力が入らない。 その他・・・主訴発症前は、ほぼ毎日ジムに通い、サウナで汗を流す。 約30年間、ベジタリアン。 こむら返りよく起こす。目の乾燥。 <鍼灸> 発汗過多と、長期にわたりベジタリアンであったことから、血虚(けっきょ)といって、血(けつ)が不足している状態に加え、加齢による腎の弱りが見られました。 また、血の不足により、瘀血(おけつ)といって、血がスムーズに流れないことによる血の停滞が見られました。 まず、腎の働きを良くしながら、血を補う鍼灸を行い、気血の充実をはかりました。 その後、血を巡らせる鍼灸を行いました。 3診目から、座位がなんとかとれるようになる(まだ長続きせず)、左下肢に少し力が入る。 5診目、主訴発症後、初めて会社に出勤して一日仕事。横になって休みを入れながらなんとかこなすが、仕事後に痛みは増強。 内服薬(リリカ)の副作用が出現したため、半分に減量。 その後、歩行や仕事で痛みが出現するも、座位をとれる時間が長くなる。 11診目、薬を飲まずに仕事。仕事後、痛みがほとんど出ず、少しひきつったような感じがするのみ。 15診目、ジムで軽い運動ができるようになる。 <説明と考察> 東洋医学では、経絡の流れが悪くなると痛みが出現すると言われています。 その流れが悪くなる原因はひとそれぞれ異なります。 この方の場合は、血の不足がもたらす血の滞りと、腎の臓の弱りが主な原因でした。 腎の臓は腰や膝と関連が深いとされています。 汗をかくのは身体にいいと言われますが、過度な発汗は気血を消耗させます。 また、特に女性の場合は、月経によって血が失われるので、長くベジタリアンであることは、血の不足にも繋がります。(もちろん、食べ過ぎもよくありませんが) 初診時は、座ることもできずに、ベッドに寝た状態で問診をさせていただきましたが、最終的には、痛みもほとんどなくなり、趣味の観劇にも行けるようになったと、大変喜ばれていました。 溌剌とした笑顔を見ることができて、私もとても嬉しく思います。 ※ひとことに、椎間板ヘルニアと言っても、東洋医学的にはおひとりおひとり発症のメカニズムは異なります。 そのため、同疾患、同症状であっても、症状の緩和に必要な鍼の回数は、その方によって異なります。 |
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